
大業帝国の玉座の間に、自らを明珠皇女と名乗る神崎瑠璃が「出生の秘密」を手に現れ、現在の光莉皇女は偽物だと指摘する。しかし、当の光莉皇女は偽りの身分を捨て、悠々自適の隠居生活を送ることばかり考えていた。彼女は知らない。無口で冷徹な皇太子・一条透に、自分の心の声がすべて聞こえていることを。皇太子を「氷の顔」と罵り、隠居後の別荘を夢想し、図らずも神崎瑠璃の陰謀や朝臣の汚職を暴露してしまう光莉。彼女の心の声は、皇太子にとって最も正確な「情報源」となった。皇太子は、破天荒でぐうたらな偽の妹を陰ながら守り、彼女の心の声を利用して朝廷を安定させるうち、裏腹で生き生きとした彼女に次第に惹かれていく。神崎瑠璃の度重なる罠、システムが突如出す命懸けの任務、そして政略結婚の危機。光莉の隠居計画は次々と頓挫する。冷徹な皇太子が、国庫の1%を「退職金」として支払い、温泉別荘で彼女の隠居の夢を叶えると公衆の面前で告白した時、光莉は気づく。自分はいつの間にか、心の声を盗み聞きするこの俺様皇太子に、しっかりと心を掴まれていたのだと。偽皇女の隠居ぐうたら計画は、いつしか皇太子の溺愛日誌へと変わっていく。
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