
江都市の裏社会の帝王、神崎烈は、嵐の夜に黒い毛と金色の目を持つ子猫を助け、「スミ」と名付けて溺愛する。しかしスミの正体は、一念で宇宙を滅ぼすことのできる根源の絶対支配者であり、幾度となく密かにその力で神崎の危機を救っていた。神崎はスミの平穏を守るため、裏稼業から足を洗い田園に隠居する。二人は十年間連れ添うが、スミは寿命を迎えこの世を去る。終わりのない思慕の念に囚われた神崎は、信託基金を設立し、野良猫を保護しながら、五十年間ひたすら待ち続けた。スミは根源の残魂と引き換えに生まれ変わり、老いた神崎と再会を果たし、その最期を看取る。神崎が亡くなった後も輪廻転生を繰り返し、そのたびに嵐の夜にスミと再会する。二人は百年の時を超え、三世にわたって寄り添い、互いの存在を魂に刻み込んだ。ついに神崎が九十九歳で安らかに息を引き取ると、スミは思い出の詰まった山頂の別荘に留まり続けた。この種と生死、輪廻を超えた深い愛情の物語は、江都市で百年にわたり語り継がれる伝説となった。
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