
春の日、関白邸で開かれた花見の宴は多くの客で賑わっていた。入れ替わった身分の妹、神崎希が不意に水に落ち、助けられた後、未来を知っていると主張し、摂政宮・御堂蒼真の袖を掴んで「義兄上」と呼び、誰かに押されたと訴えた。貴族の令嬢たちはざわめき、彼女の正気を疑い、あるいは神崎家の長女・神崎寧々と摂政宮の関係を訝しんだ。神崎寧々は落ち着いた様子で人垣を分け、顔を上げて御堂蒼真を直視し、宮中の宴で一度見間違えただけの縁であり、分不相応な考えは一切ないと毅然と否定し、水に落ちた後の妹の不適切な言動を戒めた。御堂蒼真は目を細め、冷徹な視線で場を掃くと喧騒はぴたりと止んだ。宴の後、書斎で神崎寧々の肖像画を凝視し、護衛に神崎希の言葉が真実か虚偽かを尋ねた。翌朝、摂政宮邸から関白邸へ壮大な結納品の行列が送られてきた。神崎寧々は、神崎希が昨日言っていた「書斎の肖像画」が現実になったことを思い出す。妹の謎めいた言動と摂政宮の計り知れない行動に直面し、神崎寧々は冷静な頭脳と落ち着いた心で糸を解きほぐし、一族の体面を守り、自らの潔白も守っていく。渦巻く権謀術数の中、真相と真心はどのようにして明らかになるのか。
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