
鉱山事故の後、清水ゆかりは夫・林武男の帰りを待ち続けたが、その願いは叶わなかった。幼い息子のケンを一人で育てながら、金子満が偽造した借用書による借金の取り立てや、夫の実家からの厳しい仕打ちに耐え、苦しい日々を送っていた。そんな彼女を陰ながら支えたのが、退役軍人の佐藤篤だった。彼はゆかりを暴力から守り、病気の子供を背負って病院へ連れて行き、彼女に向けられる全ての悪意に立ち向かった。共に過ごすうちに、二人の間には愛情が芽生えていく。 ゆかりが過去を乗り越えようと決心した矢先、記憶を失っていた武男が記憶を取り戻し、突然帰ってくる。かつての恋人と命の恩人の間で、ゆかりは辛い選択を迫られる。最終的に武男は二人の幸せを願い、一人で故郷を離れることを選ぶ。ゆかりと篤は手を取り合って新しい家庭を築き、ネムノキの花が咲く頃、親子三人は幸せな生活を迎える。一方、遠くへ旅立った武男もまた、異郷の地で自身の安らぎを見つけるのであった。
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