斉国の皇太子、葛城睦が私を最も憎んでいた年、どれほど多くの貴族の令嬢が東宮に入ったことか。
私は恨み、憎み、女たちと髪を掴み合った。それでも皇太子妃の座に固執し、手放そうとはしなかった。
ただ母上に、一縷の望みを求めて。
母上が再び毒に侵された日、私は人を遣わして彼を呼びに行かせた。しかし葛城睦は、宮中の太医を一人も寄越すなと命じた。
「使い走りの下僕一人とは、随分と自分を買い被っているのだな」
私は雷雨の中、遊郭まで彼を訪ねた。だが彼は、戸外で琴を弾いて場を盛り上げろと私に言った。
彼に再会したのは夜が明けてから。私は地に跪き、何度も額を打ち付け、母上を助けてほしいと懇願した。
言葉も終わらぬうちに、顔に灼けるような痛みが走った。
彼と一晩中戯れていた花魁が、挑発的に私を見つめて言った。
「殿下、わたくしは花柳界に身を置いておりますが、この身は清らかです。なぜこの方に、ふしだらだと辱められねばならないのですか!」
葛城睦は眉をひそめ、その目には怒りが満ちていた。
「謝らぬとあれば、母上を助けたくない、と?」
しかし彼が最も心を動かしかけたその時、小者から知らせが届いた。母上は昨日、七竅から血を流し、毒が回って亡くなったと。
母上が最後に残した言葉は、ただ一言――
「雪、私があなたの重荷になってしまった……」