不自然な死が起きた部屋は、総じて事故物件と呼ばれる。事故物件には二種類あり、一つは「青宅」と呼ばれ、生者が住んでも異変はない。もう一つは「紅宅」で、生者が住めば必ず死ぬ。私は不動産仲介業者だが、ある時うっかり「紅宅」を売ってしまった。それ以来、怪奇現象が私を苛むようになった。夜中に聞こえる見知らぬノック音、ひとりでに開く引き出し、顧客がサインした契約書に翌日現れるぼやけた数行の文字。恐怖の兆候はますます明らかになり、私はようやく気づいた。「紅宅」を売った代償が、想像をはるかに超えて恐ろしいものであることに。