大夏王朝の第九皇子、李承軒。八歳まで世間から唖(あ)と見なされていたが、その実、前世の歴史政治学者としての記憶を持って転生し、ただ静かな日々を求めていた。父皇の誕生祝いの宴で、吐渾の使者が挑発し婚姻を迫る中、彼は初めて口を開き、三百年前の史料をもって使者を圧倒、外交危機を乗り越える。
これを機に、彼の秘めたる才知が明らかとなり、皇太子の嫉妬と父皇の試練に晒されることに。皇太子による母の一族への陰謀、名家による米価操作、国境での戦乱といった危機に直面しながらも、李承軒は歴史書から得た知恵と非凡な謀略で、一歩ずつ局面を打開し、朝廷に嵐を巻き起こしていく。しかし彼の願いは常に、皇室書庫で静かに日々を過ごすことだけであった。彼はただ一人、その力で密かに大夏の国運を書き換えていく。