霞(かすみ)は皇太子の神崎蒼(かんざきあお)に付き添い、黒狼国で七年間人質として過ごした。皇国へ帰国後、月城姫(つきしろひめ)に封じられるも、神崎蒼が藤原宰相の娘・藤原葵(ふじわらあおい)と婚約し、幾度となく侮辱を受ける。心を閉ざした彼女は自ら黒狼国への降嫁を申し出るが、その正体は嫁入りの道中まで隠され、神崎蒼に見破られてしまう。神崎蒼は後悔に苛まれ、即位後は冷酷非情な暴君となる。十年後、彼は霞を奪い返そうとするが、再会した時、彼女はすでに一人の息子を持つ黒狼国の王妃であった。『個人の情は一時、公は千古』と、民を思うよう彼を諭す。神崎蒼はついに彼女を諦め、両国の平和と霞の幸せを成すことを選んだ。