夜中にお腹が空いて眠れず、出前を頼もうと新しいアカウントでクーポンをもらおうとした。あたふたと操作していると、画面がなんと「配達員になりました」に切り替わった。ログアウトして登録し直そうとしたその時、突然注文通知がポップアップした。【キュートフライドチキン1人前、ハッピーハイツ405号室、配達料1000元】。「1000」という数字を3回も見直し、見間違いでないことを確認すると、ログアウトしようとしていた指がぴたりと止まった。――思い切って受注ボタンを押した。真夜中で、ハッピーハイツのことも全く知らない。しかし、1000元という配達料はあまりにも魅力的で、心の中には一つの思いしかなかった。たとえ客の注文がどんなに突拍子もないものであっても、この注文は絶対に自分の手で玄関先まで届けてみせる、と。