側室の娘、四宮青葉は、屋敷の奥で誰にも顧みられない存在だったが、正妻の娘である姉が結婚から逃げたため、駒として急遽、北の辺境伯の屋敷に身代わりの花嫁として嫁がされる。婚礼の夜、辺境伯様である北条徹の冷淡さ、屋敷の使用人たちの軽蔑、正妻である藤原氏の策略、そのすべてが彼女の行く手を阻む茨となった。
しかし彼女は決して屈せず、その粘り強さと知恵で、辺境伯の屋敷で一歩一歩慎重に行動し、悪辣な使用人を罰して足場を固める。そして、その見事な刺繍の腕前で「青葉刺繍店」を立ち上げ、他人に依存する側室の娘から、自立し自信に満ちた辺境伯夫人へと成長していく。
彼女と北条徹は、初めは氷のように冷たい関係だったが、互いに探り合い、支え合ううちに、宮廷の渦巻く陰謀と一族の愛憎劇の中で、次第に愛情を育んでいく。彼女が刺繍作品で皇室の認めを得た時、彼が彼女のために世界を支えた時、この身代わりの花嫁から始まった縁は、ついに離れることのない深い愛の物語となった。
屋敷の奥にいた側室の娘から辺境伯の正室へ、刺繍店の女主人から御用刺繍職人へ。四宮青葉は、自分自身のやり方で、この時代に輝かしい人生を生き抜いた。