下界に降りて結城 朔に嫁いで五年。彼は私を愛しすぎるあまり、私の神の力を三度も密かに質に入れた。
一度目は、代償の神を訪ね、私の炎の神の力を質に入れ、彼の忘れられない人の左腕の火傷を治した。
二度目は、私の癒やしの力を質に入れ、彼の忘れられない人の顔を元通りにした。
三度目は、私の愛の神の力を質に入れ、三年もの間、彼の忘れられない人を追いかけた末、ついにその想いを遂げた。
ただ彼が知らないのは、五年前、私が恩返しのために下界に降りて嫁いだ時、何度も私を諭した兄こそが、その代償の神だということ。
そして今、三度の恩返しが終わり、私と結城 朔との縁は、もはや尽きた。
彼を待つのは、代償の神が彼から取り立てようとしている利息だけである。