その武勇が王国中に鳴り響いていた「ドラゴンの母」ベローナは、自身の結婚式で婚約者に裏切られ、挙句の果てに実の妹に毒殺されそうになる。彼女は自らの寿命を数年分燃やし、古代のドラゴンを呼び覚ますと、帝国の玉座を灰に変え、帝国全土を血の海に沈めることを誓った。逃亡の身となった彼女は、口のきけない物静かな奴隷を買い取った。その奴隷は従順で、完全に彼女のなすがままであった。しかし彼女は思いもしなかった。彼女の意のままになるはずだったこの従順な獲物こそ、北の荒野を支配する血に飢えた「冬の暴君」その人であったことを。彼が自ら鎖につながれたのは、彼女の最も忠実な「ハウンド」となるためだったのだ。