上元の夜市、清水結衣は饅頭の屋台で働いていた。橘大妃が困っているのを見て、結衣は肉まんと温かいスープを手渡した。息子の宝がおとなしく温かいスープを運んでくる。宝の右の耳たぶには朱色のほくろがあった。橘大妃は宝の顔立ちが幼い頃の愛息、橘景虎にそっくりだと声を失い呟く。ちょうどその時、橘景虎が駆けつけた。彼は母を支え、その視線は宝の幼い顔にわずかに止まった。大妃は振り返り、結衣親子を見つめる。その目には疑念と慈愛が交錯していた。結衣は微笑んで彼らを見送るが、この親切な行いが、宮中の秘め事と血の絆を動かし、親子の再会と真相を探る物語の序幕を開けていることには、全く気づいていなかった。