須藤希は、自分が結婚したのはただの出前配達員の男だと思っていた。あの夜、彼女が誘拐され、20人の傭兵が一斉に寝返るまでは。彼女の夫、陣内誠は、20台の黒いSUVと訓練された私兵部隊を背に、階下に立っていた。
出前の兄さんのもう一つの顔、それはかつて国境で最も伝説的だった兵王、「シリウス」だった。彼が3年間も正体を隠していたのは、須藤希と彼女の父親が残した秘密を守るためだけだった。
これは愛の物語である。
情熱的な告白ではなく、陣内誠がいつも最前線に立つその後ろ姿。甘い言葉の約束ではなく、誰もが自分自身と和解し、過去と決別する方法を学ぶ物語。